価格も非常に魅力的な絵本
「自分のことばを誤解されて、トラブルが起こった」「どうも自分の言いたいことを文章にするのが苦手だ」「自分では良いと思うアイデアを、誰も評価してくれない」非常にたくさんの人が、自分をもっとうまく表現したいと切実に願っているのではないでしょうか。
仕事ではつねに誰かを説得したり、交渉したり、調整しながら、自分も相手も納得できる結果を導き出さなければなりません。
家庭でも、より良いコミュニケーションこそが幸福な生活を築きますし、友人との語らいや地域での活動でも同様です。
人と交わるときにはコミュニケーションが欠かせません。
私たちが「社会」という舞台で生活している限り、他者との関わりを避けて通ることができないのです。
だからこそ、多くの人が「表現」について頭を悩ませているのでしょう。
よりうまく伝えて、きちんと理解してもらえば、仕事も人生も今より格段にうまくいくことを実感しているのです。
そこで、「伝える力」について考えたいと思いました。
突き詰めて考えていくうち、自己表現に必要なものは「アピール上手になる方法」「うまく話す」「うまい文章を書く方法」といった一方的な表現のテクニック、ノウハウの類ではないことにあらためて気がつきました。
人との交わりは、情報・考えなどを受け取る、自分の考えなどをまとめる、誰かに伝えるという繰り返しだからです。
すべての過程がうまくいかなくては、より良い自己表現をするという目的を果たすことはできません。
そこで本書では、「理解する能力(よむ)」「思考する能力(かんがえる)」「伝達する能力(かく)」と名づけ、各分野のトップランナーである先生方に専門のテーマを語っていただきました。
先生方はどなたも興味深い自己表現法をお持ちで、コミュニケーションの達人ばかりでした。
もちろん、仕事も人生も充実していらっしゃいます。
多くの先生方に自己表現法を紹介していただいたため、「出逢う」「聞き出す」「発想する」「図で考える」「脳を張る」「英語で話す」「書く」「彩る」「演出する」という多彩なラインナップになっているのも本書の特徴です。
最初から読み進めても、興味のあるところから読んでも楽しめるつくりになっていますので、肩一に力を入れすぎずにページをめくってみてください。
内容を読み進めていただければ、自己表現の奥深く、広がりのある世界を堪能していただけるはずです。
また、自分の「伝える力』を豊かにするヒントが必ず見いだせることでしょう。
本書は、NPO法人C研究会(以下、C研)仙台支部での『自己表現』をテーマにした勉強会を中心に編纂したものです。
これまでも知研は数十冊の本を出版しておりますが、今回は東京ではなく地方での活動を中心にベースとしたという点でも大きな意義があると考えています。
今後も、「地方発のコミュニケーション」をテーマに、足元からの情報を意識的に発信していきたいと思っています。
登場していただいた先生方には、勉強会での講演や原稿の修正、追加取材などで大変なお手間を取らせていただきました。
本当に感謝しております。
本書の編集に尽力していただいたC支部長のYさんにも併せて感謝の言葉を贈ります。
本書が、読者の皆さんに『伝える力』を与え、より良いコミュニケーションを可能にすると確信しております。
読者のみなさんの仕事や人生がうまくいくきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。
自己表現を考えるときにP出逢いがについて考えることを避けて通れません。
表現の前には「情報に出逢い」、「表現したい何かに出逢い」、「表現を伝える相手に出逢う」どの段階でも出逢いが欠かせないキーワードになると考えたわけです。
なかでも、人との出逢いが自分に与えてくれる影響は大きなものです。
人望のある人が仕事や人生で大輪の花を咲かせる様子を、ご覧になったことがあると思います。
周りに集まった多くの人から刺激を受け、人の力を借りながら、ますます魅力的になっていく人です。
そこで、「人を惹きつける魅力とは何か」「出逢いに恵まれる人の秘訣とは何か」「人と良い関係を続けていくコツとは何か」というテーマを設定し、N先生のお話をうかがうことにしました。
T大学、県立M大学と、立て続けに大学を設立されたN先生は、出逢いの名人で、他に類を見ないほど大きく深い人的ネットワークを持っていらっしゃいます。
また、「成功者」「勝利者」と呼ばれる経営者と長年のおつきあいがあるN先生は、「成功する人にとって、出逢いとは何なのか」についても熟知されています。
N先生はおっしゃっています。
「出逢いは人生の何ものにも代えがたい貴重な財産だ」と。
私は幸いなことに、これまで実にたくさんの成功した経営者にお目にかかり、じっくり話をうかがう機会がありましたが、とくに創業経営者の口から一番多く発せられる2つの言葉があることに気づきました。
出逢いと運です。
出逢いは紛れもなくN運の一種なのですが、この2っとも、大学の経営学の講義でもまた大学教授の書いた経営学の本のなかにも決して出てきたことがないのは、まことに不自然なことだと思えてなりません。
創業者として卓越した成功を収めた経営者をして、「(成功は自分の知恵と努力の成果であることは否定しないが、)あのときあの人に出逢わなければ・・・」と言わしめるほどの運出逢いが事業の成功にどれほど貢献したかは、多分聞く者の想像を絶するほどのものであるに違いありません。
このことだけでも、講壇派経営学の限界があると言って良いはずです。
われわれはまず出逢いを考察する手がかりとして、HさんとFさんの有名な出逢いのいきさつをたどることからはじめましょう。
Hさんは、すでに昭和のはじめに故郷の浜松で自動車の修理業を営んでいた時代から、技術者としての発明の才を発揮して地元で名を成し、戦時中には相当規模の軍需工場の社長まで務めました。
ところが、社長室よりは工場現場に人一倍愛着を感じていたHさんは、終戦1年後には戦災跡地にバラック建て工場を建てると、そこを「H技術研究所」(昭和23年に資本金100万円のH技研工業株式会社に改組)と名づけ、再び好きな技術開発に没頭しはじめました。
この時期のHさんの天才的発想と着眼こそが、今や世界的な自動車・自動二輪車メーカーとなったH技研の源流となりました。
具体的に言えば、Hさんは小型発動機(はじめは、旧陸軍無線機の発電機用)を自転車に取りつけるごく手軽な乗り物を開発したのです。
この開発の成功はHさんにとって、事業再開のきっかけとなったことより、「世界一のオートバイをつくってみせる」という雄大な夢を抱くきっかけとなったことでより大きな意義を持つものでしたが、いよいよ会社の事業が軌道に乗りはじめると、販売ルートの拡大、資金の調達、人材の確保などの経営業務がHさんにとって大きな負担になりはじめました。
このころたまたま立ち寄った知人のTさんにHさんは、事業の成功に伴う苦労話とともに、将来東京に進出して目指したい大構想を語りました。
当時Tさんは通産省の役人として東京で働いていたのですが、戦時中に中島飛行機に勤めながら浜松高等工業学校(旧制)で非常勤講師をした際に、社会人聴講生として受講していたHさんと知り合っていたのです。
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